いやぁ、文句なくおもしろいです。そして、泣けます。
話としては、人間に捕獲されてしまった我が子ニモを救出すべく、ダメ父親のマーリンがボケキャラのドリーとともに大海原を冒険するという実にシンプルなアドベンチャーなのですが、なんでこうもおもしろいんでしょう。
おそらくそれは「父親の視点」から見た物語の進行、換言すれば「父親の成長」という太い幹に「子供の成長」や「仲間達の成長」が絡んでいくストーリー展開が、子供よりもより大人の方に共感を生むからだと思います。
もちろん、子供が見ても十分楽しめるわかりやすさも損なわれてはおらず、話の難易度を上げずに深みをつけることに成功したPixar社の手腕は、圧倒的な映像表現も含めて見事と言うよりありません。
既に公開から一月以上が経過し、どこの映画館でも並ばずに鑑賞できるようになってきたと思います。まだ見てない方は、「子供向けアニメ」と馬鹿にしないで是非見てください。きっと感動できますよ。(2003 (C) Disney/Pixar)(2004年1月13日エントリ)
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逃走迷路(Saboteur)は1942年(昭和17年)の作品です。
物語は、ある平凡な男・バリー・ケイン(ロバート・カミングス)が破壊工作の犯人と間違われ警察に追われる身となってしまうところから始まります。ケインは自身の潔白を証明するために真犯人であるフライ(ノーマン・ロイド)を追いますが、フライがテロ組織の一員であるためより危険な状況に陥っていくのです。果たして、ケインはフライを捕らえ自身の潔白を証明することができるのでしょうか。
こういう筋書き、つまり"巻き込まれ型"は、ヒッチコックの十八番とも言える筋書きで、後の名作「北北東に進路を取れ」の原型とも言えます。公開当時の興行的な成績は上々だったようですが、ヒッチコック本人はこの作品を気に入っていないようです。その要因は大きく2つ、つまり(1)脚本、(2)役者(主役級)の2つに満足していなかったようです。
実際に、ストーリーはややブツ切りの感があってスムーズさを欠きますし、いかにもご都合主義的な調子の良すぎる話の展開もあります。役者陣の演技も、やや華がないといった感は拭えずそういう意味では「名作」ではありません。
しかしながら、この映画には映画史に残る名シーンがあります。非常に有名な、自由の女神上で繰り広げられるあのアクション・シーンです。
従って本作は、そういう映画史における欠く事の出来ないシーンを産み出した作品として観るのが正しいのでしょう。(2003年11月6日エントリ)
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ヒッチコック自身も好きだと言う「疑惑の影(Shadow of a doubt)」です。本作は前回紹介した「ロープ」よりも5年前の1943年(昭和18年)の作品になります。
物語はチャールズ・オークレー(ジョセフ・コットン)が二人の男に尾行されるところから始まります。何とか尾行を撒いた彼は、逃げるようにカリフォルニアの姉夫婦の家に向かうのですが、その理由は彼が殺人を犯し警察の手から逃げているからなのです。
そうとは知らぬ姉夫妻一家は、たくさんのお土産を抱えて現れたチャールズを大歓迎しますが、姪のチャーリー(テレサ・ライト)は彼の行動に不審を感じ始め遂に彼の犯した罪を知ることになります。チャールズに密かな恋慕の情を抱くチャーリーはどうなってしまうのでしょうか、といったような話です。
正直なところ映像的な古臭さも感じますし、話の繋がりがスムースさを欠いていたりもしますが、全体的なストーリーは面白いと思います。また、出演者の演技も素晴らしく、特にチャーリー役のテレサ・ライトが忍び寄る恐怖に耐える女性役を好演しています。
ネタバレになるので書きませんが、最後のシーンを踏まえて「チャーリーは今後どういう気持ちで生きていくのか」なんていう点を思うと、ジンワリとした恐怖が感じられると思います。本作ではそう言った如何にもヒッチコックらしい心理的恐怖の原点を堪能して欲しいと思います。(2003年10月30日エントリ)
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何を隠そう私はヒッチコック・フリークなのです。
もちろんこれやこれは持っていますし、これやこれを米国アマゾンドットコムから取り寄せちゃったりもするのです。
そういう訳ですので、映画のコーナーでは最終的にはヒッチコック全作品の感想を書くことを目標にしたいと思います。(他の映画の感想も書きますが)
さて、本作「ロープ」はヒッチコック初のカラー作品にして実験的手法「10 minutes take」を採用したことで知られる1948年(昭和23年)の作品です。「10 minutes take」とは、当時のフィルム一巻に相当する10分間の映像をノーカットで撮影し、巻のつなぎ目を目立たなくするカメラワークなどの工夫により、全編を全くのノーカットで撮影したように見せる方法のことです。これにより物語の進行していく時間は映画のそれと全く同じになります。
この作品の個人的な見所は、ブランドン(ジョン・ドール)とキャデル教授(ジェームズ・スチュアート)の殺人の是非に関する討論シーンです。特にジョン・ドールが「優れた者が劣った者を殺すことは肯定される」という歪んだ思想に取りつかれたブランドン役を好演しています。
本作は、様々な実験的要素を取り入れながらもヒッチコックらしさは失われていない佳作で、当時の時代背景などに思いを馳せながらじっくりと鑑賞して欲しいと思います。(2003年10月23日エントリ)
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